夏にこどもやペットを車内に放置しておこる死亡事故をなくするために、個人への注意喚起だけではなく、社会的・技術的セーフティネットを

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またしてもこどもが犠牲になる痛ましい事故が起こってしまった。

2歳児を保育園に預け忘れ、車内に8時間放置して死なす…50度以上?酷暑の車内

こういうニュースをピックするのはあまり好きじゃない。でも、あまりにも痛ましいできごとなので……。ほんとうに胸が苦しい。

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当事者を責めても解決はしない

記事を読む限り、まず責められるのは父親。そこは仕方ないことだと思う。

ただし、本人も自分自身を責めて責めて責め尽くしていることだと思う。いくら本人が後悔しても子どもは戻ってこないわけで、そこをこれ以上ほじくっても否定してもどうしようもない。

なので、父親の気質的なところを責めるのはここまでにして、客観的に見れるぼくたちこそ対策を真剣に考えるべき。

この痛ましいできごとを防ぐことはできなかったのか? どのようにすれば子どもの命を救えたのか?

「自分にはこんなことは100%起こりえない」なんて言えない……よ?

個人の気質としてではなく社会問題として捉えないと、こういった問題はなくならない人間はときに「やっちゃう」から……。

なので、まわりからの視点で見てみようと思います。

繰り返さないために、どんなことができるだろう?

例えば、保育園との連絡体制はどうなっていたか?

記事中では触れられていないけれど、保育園と親の連絡体制はどうなっていたのだろう。登園していないのであれば保育園から親に確認の電話をいれるようなシステムにはなっていなかったのか?

ケータイを忘れていたのかもしれないし、電源が切れていたのかもしれない。でも、ケータイが正常に機能していたのであれば、「今日はお休みですか?」の連絡一本でこの痛ましいできごとは防げたはず。

手垢のついた表現だけど「保育園と家庭の連携」を、子どもを守るために、口だけじゃなくてシステム化することも大切。形骸化しちゃってるパターンが多いと思う。

例えば、保育士の就労環境はどうだったか?

先日の「保育園落ちた日本死ね」問題で、保育士の就労環境改善についての機運が高まってる。

保育士の人数は子どもを充分にケアできるだけ雇用できているか? 登園してこない場合の親への連絡といったイレギュラーな業務にも対応できる余裕があるか? 落ち着いて仕事に向かえるような賃金や時間は用意されているか?

選挙続きで子ども関係の政策が棚上げになってるけど、またテーブルにのせるように声を上げていく必要がある。

例えば、父親の就労環境はどうのようなものだったか?

今回の事故と父親の会社の就労環境については、別ものとして扱われることになると思う。というか、きっと、関係づけられることすらない。

でもぼくは、別ものだと言い切ってはいけない、と思う。

チャイルドシートにのせた子どもを忘れるくらい心的な負担をかけていた可能性はないか? 「仕事のことを考えていた」と言って保育園に寄るのを忘れるくらい業務が偏っていた可能性はないか? 負担をもっと分配・分散することはできなかったか?

今回のケースに限定しているわけではなく、日本という社会の就労環境の問題ではないかと。

例えば、テクノロジーで解決することはできないか?

技術的な解決は簡単にできる。

エンジンを切ったあとに車内で動く物体があればセンシングし、スマホにアラートが飛ぶようにする。車のキーに飛ばしてもいい。車のIotの一環として、技術的には今すぐ、低価格でできる。温度センサーでも音センサーでもいい。

設置義務化は難しいかもしれないけれど、「もしも」から子どもを守るものとして(←ついでに防犯にもなる)ビジネスにもなるのでは? とも思う。

個人の注意喚起だけではなく、社会的・技術的セーフティネットを

ちょっと考えるだけでこれくらい出てくる。

車内放置による子どもの死は、何度ニュースで取り上げられても、定期的に起こっている。ほんとうに、ほんとうに痛ましい。あっちゃいけないことだと思う。で、みんな「自分は絶対そんなことしない!」って思ってる。そう決めつけるのが、いちばんこわい。

もちろん、自分で断固注意することが第一なんだけど、あまりにも他のことに気が向きすぎて、ふと頭から抜けてしまうことって、ある。そんなときに、セーフティネットというか、まわりがそれに気づかせてくれるシステムがあればいいよね。

ただ加害してしまった当事者を責めるのではなく、社会的なところからも解決を目指す。万人が利用できるセーフティネットを。そういう思いからの投稿でした。

ほんともう、こういった痛ましいできごとはなくなってほしいです。

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