さて、幸せになる勇気。【 『嫌われる勇気』が好きすぎて勝手に応援キャンペーン】第二回です。
今回のテーマは主にこちらの図です。
でも、その前にどーしても伝えたいことがあります。
目次
子育て真っ最中のバイブル
みなさん、カン違いしてます。
「ビジネス書でしょ?仕事してない人には関係ないでしょ」って。
全っっっ然違います。
今アドラー心理学が一番心に刺さるとぼくが思うのは、子育て真っ最中の人。
なぜかって?
その理由を今回は書いていきます。
超ざっくり、アドラー心理学は「前を見ている」
フロイトとかユングとか言われても……ですよね。
トラウマとか集合的無意識とか夢分析とか、なにそれ?ですよね(ぼくは好きですが)。なので、超ざっくり書いてしまいます。
日本で心理学といえばフロイトとユングが有名ですが、欧米ではアドラーを加えた三人が心理学の三大巨頭と呼ばれています。

左からフロイト・ユング、そして、アドラー笑
で、
フロイト・ユングは「精神分析」をします。アドラーは「自己啓発」をします。
フロイト・ユングは勇気をくじく「原因分析型」です。アドラーは勇気づけをする「問題解決型」です。
フロイト・ユングは「なぜそうなったのか」を掘り返す『原因論』的立場です。アドラーは「いまどうするか」を探る『目的論』的立場です。
処置 | 志向 | 思考 | |
---|---|---|---|
フロイト・ユング | 精神分析 | 原因分析型 | なぜそうなったのか |
アドラー | 自己啓発 | 問題解決型 | いまどうするか |
さらに超々ざっくりまとめるのであれば、両者の違いは『後ろをみているか、前をみているか』です。アドラー心理学は、前を見ています。同じ『心理学』というカテゴリーでくくられていますが、まったくの別ものです。
(注:後ろを見ることが悪いというわけではありません。振り返りと分析は必要です。ただし、後ろを見たまま前に進もうとしても転んでしまうのは自明ですよね)
アドラーの目は子どもや家族に向けられている
アドラーの関心はどこにあったのか?
第三回にて書く予定の
いっぱいあるけど、まずはこの3冊。『嫌われる勇気』以前と以後
でさらに詳しく触れる予定ですが、アドラー心理学はもともと『子どもの教育論』や『家族の人間関係論』としての性質が強く感じられます。
むしろ、今のようにビジネスの場で論じられていることは、ほとんどない。
アドラーの目は、子どもや家族という対象に向けられています。
アドラー自身の功績を見てもこれは明らかです。こどものことについて助言を求める親へのカウンセリングを積極的に行ったり、児童相談所を設立したりなど、家族という共同体に強くフォーカスしています。
ここまで来れば、なぜぼくが子育て真っ最中の人にこそこの本を読んで欲しいのか、その理由がわかってきたと思います。
子育て真っ最中の人は、一瞬一瞬が「いま、ここで、どうするか」
ぼくはサラリーマンと専業主夫の両方を経験しています(いまはハイブリッドです)。
その立場から言うと、子育ては予測不可能性と緊急性が高いことが本当にたくさんおこります。
「仕事だってそうだ!」だって?それはアドラーの言う『目的論』と『人生の嘘』で簡単に看破されてしまうベイシック・ミステイクです。
子育ての悩みは、男性であればスルーできてしまう部分も多い気がします。女性は「母親」であるがゆえに、「産んだという責任感」があるゆえに、苦しむことになります(このあたりの私見は過去に書きましたので、記事末尾にリンクをつけておきます)。
子どもは、思うようには動きません。そして(恐ろしいことに)育てたように育ちます。
それはあたりまえのことです。
だって、ひとつの人格だから。
でも、ここで悩まないで欲しいんです。
だって、その悩みは子どもと深い信頼関係を築くための余白とも言えるから。
アドラー心理学では数多くのキーワードが散りばめられていますが、ここでは『課題の分離』『横の関係』『勇気づけ』という3つの言葉をピックアップします。
この3つのステップを実践していくことで、子育てを『人生をかける意義のある課題』として軽やかにかつ積極的に捉えることができるようになるのではないかと思います。
正直に申し上げますと、決して「すぐに楽になる」というわけではありません。むしろ、自己と真摯に向き合う必要があるので、厳しさを感じることのほうが多い。
しかし、安心してください。アドラーはビジョンを示して、ぼくたちを勇気づけてくれています。
子どもとの信頼を築く3ステップ
詳しくは『嫌われる勇気』を読んでいただくとして、ざっくりと『課題の分離』『横の関係』『勇気づけ』の3ステップについて書いてみようと思います。
ちなみにこの3ステップは、たくさんのアドラー本を読んだうえでぼくが子育て用に再構築したものです。
- 『課題の分離』
- 『横の関係』
- 『勇気づけ』
STEP.1 課題の分離
「最終的に結果を引き受けるのは誰か?」を考えることです。自分の課題でないものは切り捨てるか、距離を置きます。
例えば子どもがごはんを食べなかったとして、後々お腹が空いて大変なのは子どもですよね。例えば子どもが準備をしなかったとして、お出かけできなくて悲しむのは子どもですよね。例えば子どもが勉強しなかったとして、将来その結果を受け止めるのは子どもですよね。
もちろん子どもが「こうしたい」と言ってきたら、応援します。まずは対話をして『共通の課題』に落とし込みます。全力で応援するのはそれからです。
冷たく聞こえるかもしれませんが、これこそが真に子どもに伝わる愛情だと思います。ぼくはこれが一番子どものためにも自分のためにもなるという確信があります。
STEP.2 横の関係
子どもの人格を対等なものとして見ることです。
ここで言う対等とは、子どもの年齢や成長度合いを加味したうえでの、対等です。例えば、料理をできないこどもに対して「自分で食べるものは自分で作りなさい」というのはおかしいですよね。
『横の関係』のベースには『課題の分離』があります。「自分は子どもを信頼しているか。ひとつの人格として尊重できているか」。自身に問いかけて、『横の関係』を構築することを意識します。
ここで少し、『怒り』について。
アドラー心理学では『怒り』は自分が恣意的につくった感情だと定義します。自然と湧き上がり爆発したものではなく、「子どもに自分の言うことを聞かせるために二次的につくりあげた感情」だと。
これは、「親と子どもは支配し支配される側だ」という『縦の関係』が頭の中にあるということです。いかがでしょうか。なかなかに厳しい指摘です。しかし、そのとおりだな、とも思います。
STEP.3 勇気づけ
褒めるでもなく叱るでもなく、勇気づける。
勇気づけするには『横の関係』がベースになります。
勇気づけとは、困難を自らの力で乗り越える活力を相手の内から引き出すこと、です。自ずと発する言葉は「I メッセージ」になっていきます。
「(私は)うれしい、(私は)悲しい、(私は)助かった」という、自分(I)の感情を伝える言葉です。
「I メッセージ」は、相手に自分の信頼を伝えることができます。そして、相手の貢献感を高めます。内発的動機づけをすることができます。
では、なぜ「YOU メッセージ」に注意しなければならないのか?
「YOU メッセージ」とは、「(あなたは)すごいね、(あなたは)ダメだったね、(あなたは)がんばったね」という言葉です。
これらの言葉は、発するもの発されるもの両者の心のなかにある『縦の関係』を、無意識下で強化します。
対等だと思っている人に、それができると思っている人に、「できたんだ、あなたはすごいね!」という言い方はしませんよね。
「YOU メッセージ」を使うのは、『その人よりも自分のほうが上だ』という気持ちが、無意識にせよあなたの中にあるということです。
人間関係 | 動機付け | 声がけ | |
---|---|---|---|
褒める・叱る | 縦の人間関係 | 外発的動機づけ | YOU メッセージ (あなたは)すごいね (あなたは)頑張ったね |
勇気づけ | 横の人間関係 | 内発的動機づけ | I メッセージ (私は)うれしい (私は)おかげで助かった |
ときには、たとえ失敗であろうとも、結末を子どもに体験させることが勇気づけになります。親としては、「待つこと」はなかなかに厳しい選択です。子どもへの信頼があってこそできることです。
ぜひ、『I メッセージ』を用いて子どもとの会話を楽しんでみて欲しいと思います。
まとめ
というわけで、【『嫌われる勇気』が好きすぎて勝手に応援キャンペーン】第二回、「ビジネスマンはいいから、子育て真っ最中の人にこそ知ってほしいアドラーの知恵3ステップ」でした。
声を大にして言います。今アドラー心理学が一番心に刺さるのは、子育て真っ最中の人です。
アドラー自身の功績(児童相談所の設立や親へのカウンセリング)を見て明らかなように、アドラーの目は、子どもや家族という対象に向けられています。付け焼き刃ではなく小手先のテクニックでもない、骨太で基幹的な育児論・教育論が展開されています。
今回は、子育てを『人生をかける意義のある課題』として軽やかにかつ積極的に捉えることができるようになる3つのステップを紹介しました。
- 『課題の分離』
- 『横の関係』
- 『勇気づけ』
もう一度言いますが、アドラー心理学を取り入れるとすぐに生きかたが楽になるわけではありません。むしろ、自己と真摯に向き合う必要があるので、その心理学の厳しさを知ることになると思います。
そしてぼく自身、この厳しさを昇華したときに、心から自然体で生きられるようになるという確信があります。そして、自然体で生きることは決して難しくないだろう、不可能ではないだろう、ということも。
一生懸命伝えようとしましたが、ぼくの筆力ではここまでが限界。
あとはアドラー心理学の日本における第一人者である岸見一郎さんと、「踊るような文章を書くライター」古賀史健さんの(もしかしたら)ライフワークとも言える『嫌われる勇気』にバトンタッチ。毎回言っていますが、ぼくは大好きです。
まず読むべきアドラー本三冊を紹介! 第三回はこちら↓
***
参考 | 過去記事リンク
傾倒ぶりを語った第一回


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