さて今回は
男性のほうが育児に向いてるのでは?
と
「お母さん病」が蔓延してるのでは?
という話です。
専業主夫生活とシンパパ(シングルファザー)生活を合わせ、もうすぐ三年。たくさんのお母さんと子どもたちとお父さんを見てきました。
大きな社会の流れとして、女性の社会進出と男性の育児参加が積極的に推奨・推進されています。「一億総活躍社会」という政治のトップからの発言もありますよね。(一億総活躍社会というか、 一億総火の玉とか一億総特攻だとぼくは思いますが)
そんな世論の中で、上のように「男性の方が育児に向いてるのでは?」「「お母さん病」が蔓延してるのでは?」と感じてしまうことがたびたびあります。今日はその理由について書いてみようと思います。
キーワードは
【生物学的理由:子どもへの責任感】
【社会学的理由:産む前からお母さん】
です。
まずは現場の声を聞いてみましょう。
目次
育児をしているお父さんの声・お母さんの声
こんなお母さんの声、よく聞きます。
- 「育児にストレスを抱えている……」
- 「子どものことが嫌いになりそう……」
- 「旦那が何も手伝ってくれない、もうそこは諦めた……」
対し、こんなお父さんの声、よく聞きます。
- 「こどもと遊ぶのが楽しい! ヒャッホー!」
- 「実は料理もつくれるぜ! どや!」
- 「なんであいつはあんなに子どものことを怒るんだ! おこ!」
「たまに楽しいところだけやってるから、そんな呑気に楽しめるのよ!」というお母さんの反証の声、聞こえてくるようですね。
それでも、子育てに積極的にコミットしているお父さんの多くは、往々にして「子育ては楽しいよ!」と空気も読まずに言ってのけるのです。
割合でいえば、男性の方が女性よりも育児を楽しんでいる気がするんですよね。
なぜでしょう??
一つ目の理由は、性差として、男性は子育てに責任感を持ちにくいということ。くわしく見ていきましょう。
【生物学的理由:子どもへの責任感】
女性に驚かれることを前提として言いますと、
基本的に男性は、自分の子どもに本質的には責任を感じていません(爆)
知ってました?
例えば、自分の子どもがケンカを始めてしまったシーン。
お母さんは「うちの子、怪我させられないかしら(アセアセ)」と、自分の子どもを心配するひとが多い気がします。
対し、お父さんは「お、ケンカがはじまったな(ワクワク)」と、のんびり構えている人が多いがしませんか?
そんなテキトー夫に対して、「もう少しちゃんと見てあげててよ!」と叱責する妻。よくある光景ですよね。
男性が子どもに責任感を感じられない理由
やはり、 男性の方が、自分の子どもに関して、責任感を感じていない、というか、責任感を感じにくいのだと思います。
何故か?
単純に
産んでいないから
でしょう。
女性だけが可能な、肉体的な痛みをともなって子どもを産み落とすという仕事。
「自分のお腹を痛めて産んだ子だ」「自分のお腹から出てきた子だ」という意識。
男性が出産の痛みを感じるとショック死してしまうという話もあります。そして、いくら夫婦の肌のふれあいがあって生まれてきた子と言えど、男性にとっては自分が肉体的痛みを乗り越えて産んだ子ではありません。
この認識の差は大きいです。
「この子を責任をもって育てなければいけない!」という観念は、もちろん男性にもあります。
ただし、この「産んでいない」という事実それだけが、責任感を脅迫的なものにまで行かないレベルにとどめてくれているのではないかと思います。
まずはこの性差を、お互いに認識しましょう。
そして男性は、この無責任さをポジティブに発揮して、どんどん子育てに関わっていきましょう。
*
さて、ここまでは先天的なものですね。次は後天的なものとして、社会的に求められている役割の視点で見ていきます。
【社会学的理由:お母さん病】
もちろんこどもを守るために「子どもへの責任感」は必須です。今の社会は過剰にリスクに反応することを(建前としても)求められる社会です。でも、
「はたしてそこまで過敏になる必要があるの?」
そう思うことが多くありませんか?
女性は「察すること」を社会に期待されてきた
「◯◯ちゃんは気が利くわね」
「□□さんは細かいところまで目が届いていいね」
子どもを褒めるところのポイントから、東京オリンピックや豊洲市場に見える今の都政の状況まで、男性が勢いでやっちゃったことの尻拭いを女性が求められることは少なくありません。
女性は「察すること」を社会に期待され、うまく察することができると「気が利く」と褒められてきました。
つまり、
女性は社会の「お母さん」として振る舞うことを、小さいときから期待されて育っている。
そして、子どもができる前にすでに身についてしまった「お母さん病」は、そのまま育児の場に持ち込まれます。
これでは「お母さん病」に悩まされるのも当然ですよね。
お母さん病を改善するには?
「お母さん病」というのは、
「相手のことは自分が一番良くわかっている」という感覚
で、その多くは誤りだとぼくは思います。
社会的に生み出される「お母さん病」。改善するにはどうするか?
自分は自分、相手は相手。線を引こう
お母さん病を改善するのに必要なことは、
自分の領域と相手の領域を分けること
です。
健全な対人関係の基本です。(参考:嫌われる勇気)
ただ、この「領域を分けること」が難しいという声も多く聞きますので、大切なポイントを書いておきます。
立ち位置として、
× 「わたしの領域に入らないで」
◯ 「あなたの領域を尊重します」
という心持ちでいること。
もう少し詳しく説明します。
相手次第なこと、自分で制御できること
「わたしの領域に入らないで」は、相手の行動次第ですよね。
もし相手がこちらの領域に侵入してきたときに「わたしの領域に入らないで」という気持ちでいると、どうしても相手を「敵」と認識してしまう。で、その態度を察した相手も、こちらを「敵」と認識してしまう。
どうしても否定的なニュアンスが生まれてしまいます。
対し、「あなたの領域を尊重します」という心持ちだとどうなるか。
まず、相手の領域にこちらからズケズケと入っていくことは無くなります。そして、相手が侵入してきたときも、「あなたはそういう考えでいるのですね」という、(言葉は微妙ですが)スルーして心の安定をはかることができます。
スルーと言っても話を聞いていないわけではなく、相手の意見がどんなものであろうと、いったん受け止めることができるということです。(not 受け“入れる”)
というわけで、子どもになんでも干渉してしまう「お母さん病」を改善するには、
「あなたの領域を尊重します」という気持ちで、「自分の領域と相手の領域を分けること」を意識してみる
のがいいと思います。ハラハラしてるお母さん、多いと思うので。
そして男性は、そんな社会的役割に苦しめられる女性の悩みを理解してあげつつ、自身は無責任に全力で子育てを楽しみましょう。
まとめ
以上、男性のほうが女性よりも育児に向いていると思うワケと、育児が苦しい原因になる「お母さん病」の解決策についてでした。
生物学的・先天的な性差からくる責任感の違い
性差については色々な意見があるでしょう。男性寄りの考えかたの女性も、女性寄りの考えかたの男性もいますよね。
責任感の捉え方としても、「親なのだからもっと責任を持つべきだ」と考える人もいれば、「子どもと言えど一つの人格なのだからこちらが責任を負いすぎるべきではない」と考える人もいるでしょう。
自分としては、後者の無責任に寄りすぎているという指摘を受けることがあります。その声を受け止めながらバランスをとっていこうと思っています。
社会学的・後天的な育ち方からくる「お母さん病」
公共の場で子どもを制する大人をみて強く違和感を感じる言葉があります。
皆さんご存知、
「ダメ!」「危ないから!」
の言葉です。
これは、誰を思って言っているのでしょう? 正直に言って、
子どものためを思って干渉している、わけではないですよね?
きっと、漠然とした社会規範、漠然とした世間体、漠然とした悪者になりたくないという気持ちが言わせているように思うのです。
ちょっと考えてみて?
あなたを苦しめているその規範って、意味ある?
最後に 子どもにも大人にも優しい社会へ
今回の記事は、決して女性が育児に向いていないといいたいわけじゃないですし、シンパパ(シングルファザー)のポジショントークの側面も多々あります。
「病」という表現に嫌悪感を覚えた人もいるかもしれませんが、あえて引っかかる言葉を使いました。
冒頭では「男性のほうが育児に向いてるのでは?」と強い主張を書きました。
ここまで書いてたどり着いたのは、
どちらの性が子育てに向いているというのは無い
というとても人道的な結論です。
それぞれに役割がある。得意なことがあって、苦手なことがある。
ただし、本文で何度も主張したように、「お母さん病」が蔓延しているのは間違いない。
これは社会的な問題ですが、本文中にも書いたように、個人レベルの考え方でそのしがらみから抜け出すことは可能なんじゃないか、という期待もあります。
一番伝えたいことは、
男性も育児に主体的に参加しましょう、女性の気持ちもわかってあげてね
女性はもっと肩の力を抜いちゃおう、旦那のことも認めてあげてね
ということ。
世のパパさんたち、2泊3日の旅行を妻にプレゼントして、子どもだけと水いらずの時間を過ごしてみてはどうですか? きっと、かなり楽しいですよ。
PS.
「お母さん病」の部分については、ぼんやりと考えていたことを、下記の書籍より明確にさせていただきました。精神科医の書いた女子の人間関係の本、シンパパ(シングルファザー)で周りがお母さんだらけのぼくにとっては必読書でした。


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