【図解】ZOZOTOWNのツケ払いはこれ読んでからやれ(というかGMO後払いという情弱狙いのサービスなのでやめとけ)

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2017年6月19日 追記・更新しました

本文の最後に、クレジットカードに関して思うこと別記事へのリンクを追加しました。

こんにちは、ずかんです

本記事はタイトルどおり、「ツケ払い」は情報弱者をターゲットにしたサービスなので利用はやめとけというおはなしです。

よって、お金を完ぺきに自制できる人は読む必要はありません。

あ、自分こういうの危ないかも…

そう思ったあなたには、ぜひ読んでほしいです。

3月7日、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の「ツケ払い」のTVCMがはじまりました。

©スタートトゥデイ

ネット広告含め大々的に展開しています。みなさまツケでお買いものを楽しんでいるようです。

まずそのポチする指とめて?

冒頭でお伝えしたように、「ツケ払い」は情報弱者をターゲットにしたサービスなので利用はやめておいたほうがいいです。

初めに結論を一言で書いておきますね。

「利益は先送りせよ、損失は今すぐ払え」

ではどうぞ。

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私が「ツケ払いはやめとけ」と言う5つの理由

さて、2017年3月7日にテレビCM広告がスタートしました。ウェブ上でもたびたび目にします。

「支払いを2ヶ月も待ってもらえるなんてサイコーじゃん!」って?

いやいやいやいや

いやいやいやいやいやいやいやいや

ちょっと落ち着こう?

このモデルはそううまく「三方良し」ではないです。買う側のあなたにとっては、デメリットのほうが大きい。

損しないために知っておくべきことを私が代わりにまとめます。最後に代替案(というか、一般的なクレジットカードの常識)も図解します。

それでも買いたかったらどうぞ「ツケ払い」で買ってください。

私が「ツケ払いはやめとけ」と言うのには、以下5つの理由があります(タップで該当箇所に飛びますが、順番に読んだほうがよいかと思います)

  1. 中身はGMOペイメントの「GMO後払い」
  2. はっきり言って、「ツケ払い」ではない
  3. セキュリティが甘く、クレジットカード情報が危ない
  4. 2ヶ月待てば、払えるの?
  5. 一般のクレジットカードでも2ヶ月近く先送りできる(手数料なし)

詳しく説明していきます。まずひとつめ、「ツケ払い」の仕組みを見ていきましょう。

1. ZOZOTOWNの「ツケ払い」はGMOペイメントの「GMO後払い」である

「ツケ払い」の仕組みを図解しました。番号で追うとどういうものかわかります。

小さい文字で解説しておきますね。

(1)あなたがZOZOTOWNで商品を買います。(2)ZOZOTOWNはあなたの与信情報(お金をちゃんと払えるかどうかの情報)をGMOペイメントサービスに渡し、(3)大丈夫と判断されればあなたに商品を出荷します。(4)GMOペイメントサービスがあなたに請求はがき(払込用紙)を郵送し、(5)ZOZOTOWNに売上金を支払います。(6)最後にあなたが二ヶ月以内にコンビニなどでGMOペイメントサービスに代金支払いすることで、一連の取引が終了します。

一見いい感じに見えますね。

中身はGMOペイメントの「GMO後払い」

ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の「ツケ払い」というネーミングでやわらかくボヤかされていますが、中身はGMOペイメントの「GMO後払い」です。ガチガチの金融ビジネス、いわゆる金貸し業です。

慣れない人には長いかもしれませんが、注意事項のスクショ貼っておくので読んでみてください。全文に目を通してほしいので、あえて注釈は付けません。そんなに難しいことは書いていないです

(ここまで書いても読み飛ばす人はサッとスクロールして飛ばしてしまう…… 最初の数行と最後の注意事項くらいはお願いします)

読んでみましたか? これだけであなたのマネーリテラシーはぐっと上がったはずです。よし(グッ)

GMOペイメントという企業は何をしている?

GMOペイメントがおこなっているのは、

  • 購入店から売買代金の債権譲渡を受けること
  • 請求書の発行と代金の回収

です。

要は下図のように 、あなたのかわりにZOZOTOWNに売上代金を支払い、2ヶ月の期限を切ってあなたから代金を回収するということですね。

またシステム提供料と手数料だけではなく、取引ごとに売上の一部を徴収することで利益を上げている、などの可能性もあるかもしれません(←想像ですが)

ZOZOTOWNは商品購入者から代金をとりっぱぐれるリスクがなくなりますし、あなたは支払期限を延ばすことができます。

風評を別とすれば、ZOZOTOWNとしてはノーリスクということですね。

ざっくりとこんな仕組みで「ツケ払い」はまわっています。あなたは商品購入先のZOZOTOWNではなく、債権譲渡先のGMOペイメントに代金を支払うということですね。

(調べてみたところ、購入者からの支払いが終わらない限り、商品の所有権もGMOペイメントサービス側にあるのには驚きました)

2017年4月29日 追記
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ代表の前澤友作さんが、「ツケ払い」について「利用率についてはお答えできない。未払いがどれくらいなのかは把握していないのが現状」と説明したとのことです。

参考サイトITmediaビジネスONLiNE『ZOZOTOWN「ツケ払い」、未払い率「把握していない」』

債権(購入者からお金を貰う権利)をGMOペイメントに譲渡するというビジネスモデルなので、たしかにZOZOTOWN側には未払い率の把握は不要。GMOペイメントからすでに料金は支払われています(図解の⑤)

ツケ払いがどこまで選択されているかは公表されていませんが、決算資料のとおり、業績は絶好調。CMやキャンペーンの露出効果も大きいでしょう。右肩上がりですね。

スタートトゥディ 平成29年3月期 通期決算説明会資料

確かにスタートトゥディとしては未払い率の把握は必要ありません。そして、新規ユーザーの獲得と売上高の追求は、企業としてはまっとうな正義です。はっきり言って、悪い風評も一ヶ月もすれば消えるでしょう。

おそらくそのあたりのネガティブな部分もすべて織り込んだ上での「ツケ払い」というサービス。揶揄ではなく、法の制限の中で非常にうまくやっている、という印象です。

さて、ではこの「ツケ払い」があなたにとって本当に「ツケ払い」なのかというところを見ていきましょう。

仕組み云々ではなく、もっともっと大切な、あなた自身のマネーリテラシーについてです。

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2. はっきり言って、「ツケ払い」ではない

結論、これはあなたが思うような「ツケ払い」ではありません。なぜならば手数料がついて回るからです。

お金の教養・マネーリテラシーがないと、「ツケ払いできるんだ!ラッキー!」と注意事項すら読まずにポチッとお買いものをしてしまいます。

おめでたく、残念で、非常に危険なことです。

いわゆるフツーに手数料を徴収する料金後払いシステムなのに、ポップなCMやネーミングでキャッチーに演出するのはどうなのでしょうかとは思います。リーマンショックの発端のサブプライムと同じ構造ですよね。

あなたが気をつけるべきこととデメリットは以下の図解のとおりです。

今困っているのに、2ヶ月待てば払えるの?

別章を立てて詳しく述べます。

手数料324円かかるのは「ツケ」と言えるの?

ツケという俗語について特に明確な定義はないですが、一般的には手数料などはかからないと考えるものではないでしょうか。

「マスター、ツケといて」と言って、後日支払いの際に「手数料324円追加しますね」と言われたら、「えっ?」となりませんか。

本サービスの「ツケ払い」のように期限の利益と手数料を交換するものを、金融用語では「貸付け」といいます。「ローン」ですね。

ポップでキャッチーな言葉と広告に踊らされないようにしましょう。

銀行振込を選択するとさらに振込手数料もかかる

コンビニであれば支払いの際の手数料はかかりませんが、銀行からの場合は振込手数料もかかります。

例えば3,000円のシャツを買い、ツケ払いを選択したとしましょう。3,000(商品代金)+324(ツケ払い手数料)+216(振込手数料)で、合計は3,540円です。全体における手数料の割合が15%もあるというリボ払いにも届きそうな数字です。

2ヶ月分の期限の利益としては大きすぎます。クレジットカードであればどちらもかからない手数料です。

urlがもはや /later-payment/ 、つまり「後払い」

ZOZOTOWN(ゾゾタウン)はサービス名を「ツケ払い」としていますが、リリースページのurlが「 later-payment 」つまり「後払い」と実に自覚的なところもぜひ刮目しましょう。

このように「ツケ払い」サービスには手数料がついて回り、一般の認識と異なっているといえます。ツケではなく、たくさんの手数料を支払ってたった二ヶ月だけ待ってもらえているだけですね。

では次に、セキュリティの面からも見ていきましょう。

3. セキュリティが甘く、クレジットカード情報が危ない

「ツケ払い」サービスを利用すれば、クレジットカードを持っていない(審査が通らず持てない)人でも買い物ができます。

一方で、前述の「ツケ払いについて」の注意書には、「利用にあたって審査がある」と明記されています。

審査方法詳細は非開示ですが、どうやって審査するのでしょうね?

ウワサ 過去の購入履歴と支払状況による与信チェック

与信審査の方法を考えるために、もういちど全体像を貼っておきます。

この図解から考えるに、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)が与信情報をGMOペイメントサービスに提供し、それを見てGMOペイメントサービスが債権譲渡を受けるか判断するということでしょう。

クレジットカード情報が提供されているのであれば与信審査も簡単ですが、それがない本件のような場合はどうするのか。さまざま検索して調べてみたのですが、審査方法について確実な情報は得られませんでした。

ただ、「過去の購入履歴や決済情報、大量購入など購買行動としておかしくないか、などで判断しているのでは?」と思わせるような情報はいくつか見られました。これについては真偽は不明です。

また、GMOペイメントサービスは「リアルタイム与信 」 というユーザーを待たせないシステムを採用しています。

すごくないですか? 回収が保証されない債権譲渡を受けるのに、リアルタイムで与信を判断しているんです。

このサービスは貧乏人や情報弱者を取り込むためのものと見ているのですが、万人が期間内に決済してくれることをこんなに信用していいものなのでしょうか。

なお、リアルタイム与信を実現するためには、ZOZOTOWN側と連携してあらかじめ顧客情報を受け取りデータベース化しておく必要があるでしょう。

すでにクレジットカード情報をサイトに登録している人の情報がその際に提供されているかどうかは、ZOZOTOWNやGMOペイメントサービスのサイトをさらう限りではわかりませんでした。

ただ、手元にクレジットカード情報という与信が得られるものがあり、セキュリティをしっかりかけている(と謳う)以上、それを提供するのは当然の流れのような気もします。

その点を踏まえて、次のニュースの恐ろしさを考えてみてください。

日経新聞3/10、GMO-PGからカード番号72万件流出

このニュースです。

GMOからクレジット番号が72万件流出しました。

実際のところ、クレジットカード情報までZOZOTOWNからGMOペイメントに渡っているかはわかりません。

しかし、先日(2017年3月7日)にZOZOTOWNが大々的に広告を展開した直後のGMOペイメント関連の情報漏えいです。情報を受け取った側だけではなく、提供する側も充分なリテラシーが必要だな、と強く感じた一件でした。

(なお、インターネットに投下したクレジットカード情報をクラッキングから100%守りきるのは現代の技術では不可能だ、ということは悲しいけれど重々承知しています)

さて、セキュリティ上の危険性の次は、心理学的な側面から「ツケ払い」を見ていきましょう。

4. 2ヶ月待てば、払えるの?

「ツケ払い」って、いわば「損失の先送り」なわけですね。

「失うのはいやだ、できるだけ後に回したい」という本能につけ込むのが、この「ツケ払い」というサービスです。どーせ失うのにも関わらず、ですが、本能に近いものなので対抗できません。

プロスペクト理論のダニエル・カーネマンが言うシステム1であり、マシュマロ・テストのウォルター・ミシェルが言うホット・システムに当たります。あがらうことのできない人間の根源的な反応です。

マシュマロ・テスト

マシュマロ・テストという有名な心理学実験があります。自制力=「将来のより大きな成果のために、目先の欲求を辛抱する能力」をはかるために行われたテストです。

ざっくり言うと、マシュマロなどの好物を目の前に追いて、「15分ガマンしたらもう一つあげるよ」とか言って様子を見る実験です。

主に幼児を対象に行われたのですが、なかなか難しいんですよね。目の前においしいものがあれば、やはりついつい食べてしまう。

これと似た心理効果で、反対の視点から見たものが「ツケ払い」でしょう。

嫌なものを先送りにできるのであれば、例え(一見少しばかりの)手数料を払ってでも、先送りにしてしまいたい。そう考えるわけです。

  • 「おいしいものは今すぐ食べたい。我慢すればもっともらえるのだけど」
  • 「お金を払うのはできるだけ後にしたい。少し手数料や利子がかかっても」

ぼくもあなたも小さい頃から目先の快楽に流され、またやってしまったと後悔し、ぜったいにもうしないぞ誓い、同じことを繰り返して苦悩しているんです。

人間は、今の自分を過小評価し、未来の自分を過大評価する

今お金がないのに、2ヶ月以内にお金が手元にあるという確信はどこからくるのでしょうか。

たとえばあなたが会社から毎月支払われる給料で暮らしているとしましょう。

先々月も給料はありました。先月も給料はありました。今月も給料はありました。でも、今手元にはお金がないのです。

それなのになぜ、来月になればお金が手元にあると思えるのでしょうか。

給料が入るから? 先月も先々月も入っていましたよね? それでも今、お金がないんですよね? 先月もお金がないって言っていませんでしたか? もしかして先々月も同じことを?

ということです。

人間は、今の自分を過小評価し、未来の自分を過大評価します。今お金がないのに、2ヶ月以内にお金が手元にあるという確信をなぜか持てるのです(笑えない)。

  • 「お金のない自分は今だけで、未来ではお金をもっているはずだ」
  • 「だからツケ払いで買ってもいい」

良くも悪くも未来は明るいと楽観視するのが人間で、「ツケ払い」はその心理をも利用した仕組みです。

「うっかりさん」 を大量にうむ2ヶ月という絶妙な期間

この「ツケ払い」の恐ろしいところは、「自分の足で銀行かコンビニに赴いて支払いをすませなければならない」ことです。

つまり、クレジットカードのように自動で引き落とされるわけではない。忘れてしまいそうですね。

しかも期間が2ヶ月というこれまた絶妙な長さで決められていて、うっかりさんを大量排出する地雷を埋め込んでいるとしか私には思えません。

2017月4月16日 訂正・追記
ご指摘をいただきました。

上記にて「うっかりさんを大量排出する地雷を埋め込んでいるとしか思えない」と書きましたが、2ヶ月という期間は「割賦販売法」の絡みで決めているようです。

具体的には、支払時期を二月を越えて定めると、割賦販売法2条4項の「個別信用購入あっせん」に該当することになります。個別信用購入あっせん業者としての登録義務が発生し、さらに損害賠償額の制限(同35条の3の18第1項)が生じます。

その登録義務と損害賠償額制限を避けるために、ZOZOTOWNとGMOペイメントは許される限度の2ヶ月に支払い期限を設定したと思われます。

ご指摘ありがとうございます。

よくあるパターンとして、(私は「●SU●AYA方式」と呼んでいるのですが)そもそも遅延による罰則金をある程度計算に入れてビジネスを回そうとしているのではないか、という疑惑もわきます。

そこで、購入後2ヶ月という期間内に払えなかった場合はどうなるかということを調べてみたのですが……

代金を支払えなかった場合の情報がない

購入後2ヶ月という期間内に払えなかった場合はどうなるかということを調べてみたのですが、情報がない。

ひとつヤフー知恵袋で同様の質問がありましたが、該当ページに飛んだところ、質問が削除されていました。怖いですね。

ただし常識的に考えれば、損害遅延金を加算した請求書が何度か送られてきて、それでも払わなかった場合は督促状となり、ブラックリストに登録されてローンが組めなくなり、裁判所から債権差押命令が届いて、銀行口座が止められるなどの結末があるでしょう。

GMOのグループ企業にSEO関連のサービスでお世話になったことがあるのですが、ゴリ押しの営業で契約、数カ月後には「成果については確実に保証できるものではありません」と但し書きを引き合いに出して正々堂々と戦いを挑んでくる企業でした。

損害遅延金が発生するようであれば、回収のため粛々としかし確実に詰めてくるでしょう。企業利益はしっかりと追求する企業風土と思われます。おそろしや。

2017年4月20日 追記
BuzzFeedにて朽木誠一郎さん(@amanojerk)がすばらしい記事を書かれていました。ぜひ一読ください。

「1円も払ってないのに服が届く」 ZOZOTOWN「ツケ払い」滞納する若者たち

ツケ払い利用者の声を一部転載させていただきます。

「バイトもしているし、2カ月あれば半分ずつ貯めて、支払えると思っていました

「でも、ツケ払いをしていることを忘れてしまって。その間に飲食代などに使い、必要な額が貯まらなかったんです」

「3通目くらいのメッセージに“法的処置”と書いてあって、怖くなりました。ちょうどバイトの給料日の前だったこともあり、慌ててコンビニで支払いました」

買ったという実感はなかった

ネットのお金はバーチャルな感じです。とりあえず買って、ダメならメルカリで売ればいいし」

「注文した段階で、ハガキが届きました。滞納し始めてからは、1週間に1回くらいの間隔で、メールと一緒にまたハガキが届いて」

利用規約は読んでいなかったです。お決まりの“シュッ”(スマホをスクロールする仕草)ってやって、“ポン”と登録ボタンを押してしまった」

「画期的だと思いました。1円も払っていないのに、服が届くって。大人だったら、カードで買うじゃないですか。でも僕はまだ持っていないから、新鮮で」

どうやら、一円も払っていない、という認識のようです。危機感なくふわっと買ってしまっていることがわかると思います。

さて、ここまで危険な思いをしてZOZOTOWNの「ツケ払い」(もといGMO後払い)を利用するのか?

やめとこうかな…… という気持ちになっていただけると幸いなのですが、それでは本来の意味でのツケ払いはできないのでしょうか?

答えは、「既存のクレジットカードでツケみたいなことはできます」。では見ていきましょう。

5. 一般のクレジットカードでも2ヶ月近くは先送りできる

既存のクレジットカードで2ヶ月近いツケ払いはできます(あたりまえのことですが……)。しかも手数料は不要です。図解します。

月末締め翌月払いのカードで買う時期を調整

例えば月末締め翌月払いのクレジットカードであれば、月初めに購入すると、支払い引落しは翌月末になります。

私がメインで利用している楽天カードの場合は下図のような仕組みです。

3月1日の購入で、4月27日の引落し。実質2ヶ月近く支払いを先送りしていることになりますね。

もちろん、手数料はかかりません。これを見ると、ZOZOTOWNの「ツケ払い」で2ヶ月先送りするための手数料を払う意味がわからなくなりませんか?(明後日に大切なデートがあって今日買わないと届かない、などの緊急事態なら別ですが……)

分割は良くないけど… 2回払いなら手数料無しでできる

多くのクレジットカードでは、2回払いなら一切の手数料がかかりません(3回からが「分割払い」となり手数料がかかる。2回払いは「分割払い」ではない)

たとえば楽天カード2回払いは下図のような支払いスケジュールとなり、もちろん手数料なしです。

常に2回払いをしていては残債が積もっていって数カ月後に結局同額支払いまで戻りますが、「臨時の」「大きな金額」に限定すれば、2回払までならよく考えて利用することはありだと思います。

ただし、3分割払い以上、ましてやリボ払いは利息が膨らむので絶対にやめましょう。

まとめ 「ツケ払い」はやめとけ

以上、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の「ツケ払い」について、

  1. 中身はGMOペイメントの「GMO後払い」
  2. はっきり言って、「ツケ払い」ではない
  3. セキュリティが甘く、クレジットカード情報が危ない
  4. 2ヶ月待てば、払えるの?
  5. 一般のクレジットカードでも2ヶ月近く先送りできる(手数料なし)

という内容で書いてきました。

結論は

ZOZOTOWNの「ツケ払い」はやめとけ。普通にクレジットカード一括払いを使え。どーしても苦しいならカード2回払にしろ。

です。

ただし上記のクレジットカードを利用する方法は、持っている人に限られます。では持っていない人はどうするのか?

クレジットカードを取得できないか検討する

「ツケ払い」の恐ろしいところは、そもそもクレジットカードを持っていない人や、お金のない貧乏人をピンポイントで狙っているところです。

リテラシーの低い弱者を狙い打ちするサービスです。

確かにクレジットカードにも使い過ぎやリボ払いという危険性はあります。

それでも、18歳以上(高校生除く)なら楽天カード(外部リンク)をつくることができるので、ZOZOでツケ払いで服を買う前にまずはクレカの申込みをした方がいいと私は思います。

楽天カードをおすすめしているのは、

  • 審査が緩いから
  • 年会費が無料だから
  • ポイント還元がそこそこにいいから

です。

今後どんどんキャッシュレス社会は進行しますし、クレカはつくれるうちに(=与信が汚れないうちに)つくっておいたほうがいい。私も生活のほとんどをキャッシュレス化しています。

すでに書いたように情報漏えいのリスクはありますが、便利ですし、何よりもキャッシュレス社会の流れは変えられません。(ただ、リボ払いの案内メールがくるのでそこは注意。絶対に手を出さないこと。絶対に)

ZOZOTOWNでお買い物をしたときの支払い方法を見ると、コンビニ払いでも代引きでも手数料324円がかかります。それなら「ツケ払い」でも同じ324円だからいいじゃないか、と思うかもしれませんが、私はそうは思いません。

なぜならば、

  • 支払いをとにかく先送りしようという悪癖がつく
  • 債権が他社に譲渡されてしまう

のが恐ろしいからです。

カードがない人は代引きをしましょう。代引きでその場で決済。損失の先送りをせずその場で取引を終わらせることがもっとも健全です。

それができないなら、あきらめよう?

このサービスの真価は5月10日くらいに明らかになる

「ツケ払い」は、実は去年2016年の11月1日にサービスがスタートしています。その当時は大々的に広告を打ってはいませんでした。

決済期限が2ヶ月後ですので、2017年1月末くらいに駆け込みの決済があったことが予想されます。それから約1ヶ月の決済具合を見て「大々的に展開してもイケる。回収できる」とGMO側が判断したということでしょう、先日2017年3月7日にZOZOTOWNはテレビCM等の大型プロモーションをスタートさせました。

このサービスの真価は5月10日くらいに明らかになると思っています。

なぜならば、テレビCMの影響によって、いわゆる情報弱者や金融リテラシーの低い人まで一気にかつ大量にユーザーとして取り込まれることになるから。

いまだにテレビCMの影響力は絶大です。

先日、カンブリア宮殿に藤野英人さんとひふみ投信が取り上げられた後に口座開設希望者が殺到したというニュースがありました。

ひふみ投信は数々のファンド・アワードを受賞していて、インターネット上や投資クラスタには高評価を受けていたのですが、ここまでの口座数の急上昇はなかったかと思います。リターンの高さと安定性を評価されて、藤野さんの人間性を慕って、じわじわとかつ確実に運用資金を重ねてきたわけです。

それが、カンブリア宮殿に取り上げられた途端、口座開設の対応が間に合わないほど希望者が殺到しているようです。

「ツケ払い」利用者も劇的に増加するでしょう。それほど「お金のない人には嬉しいサービス」ですから。

同時にGMOペイメントは大きな債権未回収リスクを抱えることになります。もちろんそのリスクを考慮した上で54,000円(税込)という利用料金上限を設けて数ヶ月のテストマーケティングをおこなってきたのですが、果たしてテレビCMの効果はいかほどか、恐れているところもあるでしょう。

楽しみです。あなたが破綻に加担しないことを祈ります。

最後に 利益は先送りせよ、損失は今すぐ払え

「ツケ払い」の仕組みを調べるにつれ、ZOZOTOWNという街にGMOペイメントというお金の魑魅魍魎が跋扈するさまを想像して寒気がしました。ゾゾタウンだけにゾゾ―っとね。やつらは、情報弱者という獲物を待ち構えていますよ……?

本記事で最も言いたいことは、

ZOZOTOWNの「ツケ払い」はやめとけ

です。

その心は、

利益の先送りは大いに結構(それを期待するのを投資という)、損失の先送りは基本的にNG(それを貧乏人の道という)

です。

格言風にまとめると、

「利益は先送りせよ、損失は今すぐ払え」

さいきんどうもリテラシーの低い層につけ込むサービスが多い気がして、やさしくない世の中に一部ですが猛進している感覚があります。今までは「リテラシーが低いほうが悪いんだ。勉強しよう」と思っていましたが、ここまで狡猾に仕掛けられるとそうもいえない。

「ツケ払い」の満額54,000円が呼び水となって、サラ金に手を出したりしてしまうのが人間です。借金で首が回らない人をひとりでも減らすために、謹んで拡散を希望します。

万人が教養という武器を手に取り磨くと同時に、万人にやさしい社会になることを望みます。

※ マネーリテラシーについてはこちらの記事もオススメです。

コンビニで1円,5円,10円を寄付すると、逆説的にお金が貯まるよ(再現性100%のライフハック)
こんにちは、ずかんです こちらの記事で書いたように、僕はコンビニでいつも寄付をしています。 で、なぜいつも寄付をしているかと……

! 2017年4月10日 追記 !

ZOZOTOWNのツケ払い期限2ヶ月をブッちぎったらどうなるか? それを予想し図解した記事を書きました ↓↓↓↓↓

【期限間近・図解】ZOZOTOWNのツケ払い期限をブッちぎったらどうなるか?(少額訴訟)
2017年6月19日 追記・更新しました 本文の最後に、クレジットカードに関して思うことと別記事へのリンクを追加しました。 ……

! 2017年6月19日 追記 !

「なんとなくクレジットカードが怖い」

「クレジットカードのつくりかたがわからない」

そんな人がZOZOTOWNのツケ払いを利用するパターン、実は多いのではないでしょうか。

並んでいる決済方法のなかから「ツケ払い」を選択するだけですからね。ポチるだけでお手軽に債務者になってしまう。

「ZOZOTOWNさん、それってどうなの!?怒」と。

一方で、「クレカはなんとなく怖い」という気持ち、すごく分かるんですよね。

私は社会人二年目で初めてクレジットカードを申し込みました(遅いですよね)。

「ホントにこんなカードで払えるの?」という不安と一緒にレジに行ったことを覚えていますが、使ってみるとそんなに怖いものではありませんでした。

むしろ、お金の運用を考えるきっかけにもなるなぁ、と。

というわけで、

まだ一枚もクレジットカードを持っていない

クレジットカードを持つのがなんとなく怖い

というあなたに向けてクレジットカードが怖くなくなる記事を書いてみました。

ぜひ読んでみてください。

↓ ↓ ↓

初めてクレジットカード(楽天カード)を申し込んで使ったときの不安と感動について
こんにちは、ずかんです 先日書いたZOZOTOWNのツケ払いの記事についてこんなコメントがありました。 「ツケ払いの怖さ……

参考サイト

参考書籍

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